山のYeah!

東急沿線と東急リゾートタウン蓼科で犬と二拠点生活

ダナーフィールドロー 3ヶ月経過レビュー

ダナーフィールドロー

水染みがちょっと酷いと思うダナーフィールドロー。右下の踵は見ないでぇ~

ダナーフィールドローの弱点

 ダナーフィールドローを履き始めて三ヶ月。本音としては、半年くらいたったところでフルメンテナンスして、記事にしようと思っていましたが、先日の大雨中の散歩で犬に気を取られすぎ、深い水たまりに足を突っ込んでしまい、残念ながらくるぶしまで浸かったので、靴の中まで泥水にまみれたので、水洗いから始めるフルメンテナンスをしました。深い水たまりはローカットの弱点ですね。ゴアテックス自体は裏表はなく排水機能はない*1ので、靴の中に水が入るとそのまま残るので厳しい履き心地が継続します。
 冒頭の写真でも分かりますが、履き始めて三ヶ月のフルグレインウォータープルーフレザー*2としては残念な水染みです。泥水の侵入も許してしまったことですし、水洗いをすることにしました。

3ヶ月で水洗いとは…

 ダナーフィールドローの良いところの一つは、その性格から考えても水に漬けて洗っても大丈夫そうだということです。ワークシューズに限らず、そもそも革は鞣す際に水に漬けているので、水洗い自体が革に悪いということはないと思っています。問題は、洗い終わって油分の抜けた革が乾いていく過程を丁寧にしていかないと革がダメになるということで、素人はゆっくり乾かしながら保湿と補油を行えば革製品もきれいになっていいことだらけだ、と思っています。とはいえ、3ヶ月はちょっと早く、せいぜい年1回行えば良いとも思っています。

漬ける

 普段からブラッシングをするなど、そう埃はついていないはずの靴なので、靴紐とスーパーフィートを取り出して、ぬるま湯にとっぷり漬けます。お湯があまり熱いと靴の接着剤が取れてしまうということなので、水でもいいのですが、人間が軟弱なので、冷たくない程度のお湯にしました。靴を丸ごとつけられるサイズのバケツは大きさ的な意味では自宅に置きづらいので、この類の平たく畳めるバケツはわりとおすすめです。

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ダナーフィールドローの入浴 何度か濯いだので水はきれい

洗剤をつけて洗う

 ぬるま湯程度で汚れが出てくるほどは汚れていなかったので、ボチボチきれいに履いていたと言えるのでしょうか。きれいだったので漬ける時間は5分程度にしました。雨のお散歩後なので、ソールの状態は大変きれいで、アッパーだけ洗剤をつけてごしごしします。私は革靴の水洗いにはM.MOWBRAYのクリーニングブラシを使います。大きさと毛の柔らかさが絶妙だと思います。高いものでもなく、使用頻度もそう高くないので傷みも遅いですし、小さくて収納場所に困るというほどでもないので、一家に一本あっても悪くないと思います。 
 ついでにブラシでインソールもゴシゴシと洗い、モミ洗いでシューレースも洗いました。

  洗剤は、サドルソープなど皮革専用のものが良いとされますが、靴好きの猛者の先達がインターネット上に残してくれている記録によれば、中性から弱酸性のものを使えば問題ないとのこと。弱酸性と言えばのビオレUで良いのでは、ビオレUでも保湿成分方面に振ったものが最強なのでは、と思うのですが、信頼できる記事を発見できず今日にいたっています。汚れは泡で落とすので、ビオレU うるおいしっとり肌 ポンプ あたりでやってみた、という実験をした方がいたら教えてほしいものです。

 というわけで、私は一般的な洗剤の流用としては、インターネット上でそこそこ実績のあるエマールでゴシゴシ。 

 香りとかいらないんだけどな、とか思いながらゴシゴシすると、染料なのか、泡が少々茶色くなりました。

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エマールでゴシゴシ 風呂場でゴシゴシ 内も外もゴシゴシ

 写真ではゴシゴシと書いていますが、ブラシも柔らかいですし、あくまでも優しく泡をつけてこする感じでやっております。今回はワークシューズなので、やりすぎに注意とかすることなく、しっかりめに泡をのせました。皮革の汚れは分かりませんが、ナイロン地からは写真で床の溝に入り込んでいるような小さい砂が出てきたので、それはそれで満足です。泡が消えたら、これも念入りに濯ぎます。革専用の洗剤だと、ここはあまり念入りにせず、材料の中に入っている保湿成分を残すイメージなようですが、エマールが靴に残っていい理由が何もなく、どうせあとで補油加湿をしなくてはならないので、念入りに濯ぎました。

乾燥の工程

 この後は乾燥の工程です。ヘビーユースしているので、さっさと乾いてほしいところですが、靴の乾きはよくないですね。新聞紙を入れるのが早すぎたのか、もう少し古布などで水分をキッチリとるべきだったかもしれません。このあたり、ビジネスシューズとは違って、デリケートに扱うとかえって濡れている時間が長くなる*3のかもしれません。

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乾燥1日目。水染みと思われるものがまだまだ残る。

 浴室乾燥機が動いている浴室に置くなどしました*4が、1日後では保湿するどころかまだわりとしっとりしているので、もう少し乾燥させます。この時点で、荒れた銀面を見てわりとショックを受けました。

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乾燥2日目


 乾燥工程に入って2日後に少し水染みのようなものが見えますが、革に汚れが残ってしまっているのではないかという疑惑もでてきました。あまり神経質になってもつまらないのですが、我が家愛用のタピールのレーダーオイルは、汚れ落としをしながら、保湿保革もしてくれるという優れモノ*5なので少し早いと思いながらここで使用します。レーダーオイルはドレスシューズには向いているけど、ワークシューズの汚れ落としと言う意味では少し弱いかもしれないと思いつつ塗布しました。期待していた以上に汚れに見えるものが落ちなかったのは、新品時に革の上にのっているように見える塗料が革と一体となっているのかもしれません。以前から履いているマウンテンライトでは、この類の汚れは見当たらないので、防水や堅牢さと言う品質は同等でも革質にはわりと差があるのかもしれません。それも個体差かもしれませんが。思っているほどオイルの吸込み*6がなかったので、まだ革の中は湿気ているはずと、さらに乾燥工程を続けます。

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レーダーオイル使用後1日でブラシをかけるとこのくらい光る

 乾燥工程の5日目になると、触った感じでは水分は革の中には残っておらず、レーダーオイルのせいか思っていたよりもしなやかさが出てしまいました。しなやかな分、水分が抜けたのかがよく分からなかったのですが、靴乾燥機にもかけたので、乾いたことにします。ここは多分しっかりと乾かさないと、革の中に水分を閉じ込めることになりかねず、革の内側から黴が生えたり破れたりしそうなので、とにかくしっかり乾かしたほうが良いと思います。

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防水スプレーとラナパーで保護

 このあと革用の撥水スプレーをかけ、ラナパーを薄く塗り、ワイプオールで目いっぱい靴の表面に何も残らないように乾拭きしました。
 靴磨きでは、コットンについての蘊蓄がいろいろあったりしますが、アマチュアな私としては、汚れ落としはメイク用のコットンパフ*7、拭き取りはワイプオール*8でするのが、実はお財布にも革にも優しいと思っています。

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見方によっては3ヶ月とは思えない貫禄が漂う

 シューレースを通し、スーパーフィートを入れなおして、今回のフルメンテナンスは終了です。革の部分が色あせていくとかっこいいな、と思っていたのですが、なんだか色が濃くなって、写真の角度だと変な貫禄がありますが、履き始めてまだ3ヶ月の靴です。

3ヶ月レビュー

 歩いている感じは良好そのもので、東急リゾートタウン蓼科のような舗装路からトレッキングロード的な小径に入ったりという歩き方をするのが快適です。一応ローテーションしながら履いていますが、90日中の半分はこの靴ですから、今まで40万歩ほど。ようやく、本格的に足に馴染んできました。歩くのが舗装路が多いので、ビブラムソールの山もだいぶ削れてきました。馴染んだということは、ソールが削れるような歩き方にならなくなりつつあるということではありますが、ソールの交換時期はわりと早く来るかもしれませんね。

 アウトドアフィールドと街を行き来するような方にはお勧めできる靴です。なお、安く買うならアウトレット店なら1割引きだと思います。他では、あまり安くなっているのを見かけません。八ヶ岳リゾートアウトレットにはダナーの直営店がありますよ。

no8.hatenablog.jp

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*1:水は通さず、水蒸気は通すだけです

*2:フルグレインレザーにシリコン液を浸透させたとネット上ではもっぱらの噂

*3:水分を含む生地の量の問題かと推測

*4:洗濯した雨具の下で使いましたが、本当はゆっくり陰干しが良いと言われています

*5:石油系の原料も不使用なので、ペットのいる家にもむいていると思います

*6:弾かないというよりは、吸わないという感じでした

*7:革のお手入れは人の肌の手入れと同じ考え方なので、コットンのタオル等でなくコットンパフを使う方が多いのが根拠です

*8:革のメンテナンスの最後は、皮革への油分の浸透及び浸透しないで表に残るものをどう取り除くかが最後の過程になることが多いのですが、油を拭き取るのはワイプオールと機械屋から飲食店までが言っているのが根拠です